ビクトリア・ヌーランド、クーデター指導者との会談を「困難」と表現、米国はニジェールに「憲法秩序」を求める。
昨日、今ニジェールで起きていることを配信した後に、アフリカ訪問したばかりのヌーランドが昨日(8月7日月曜日)クーデター当局に接触しようとしていたことがアルジャジーラの記事で確認できたので簡単に訳してお送りします。(他、CNN 、BBC、ロイターなどでも確認)
米国の上級外交官がニジェールを訪れ、先月バズーム大統領を追放したクーデター当局に民主的な統治を回復するよう働きかけた。
米国のビクトリア・ヌーランド国務副長官代理は月曜日、ニジェールの首都ニアメで、軍指導者のムーサ・サラウ・バルムー氏(new military chief of staff, Brigadier General Moussa Salaou Barmou)および3人の大佐と「率直で困難な」会談を行なったと述べた。7月26日のクーデター以来、米政府高官が同国を訪問するのはこれが初めてである。
ヌーランドは、バズームと自称軍政トップのアブドゥラフマン・チアニとの面会を求めたが、拒否されたという。その後、記者団との電話ブリーフィングで、彼女は軍首脳との会談について厳しい評価を述べた。
「ニジェール憲法にそぐわない。今日の会談は難しかった。」
しかし、ヌーランドは、「交渉による解決」への自国のコミットメントを再確認した。もしクーデターの指導者たちがニジェールの「憲法秩序」に復帰する意思があるのなら、米国は「それを支援する用意がある」とヌーランドは述べた。
月曜に入り、米国務省はクーデター指導者と直接接触したことを確認し、バズーム氏の復職の必要性を強調した。
同省のマシュー・ミラー報道官は、「軍指導者たちとは、身を引くよう求める直接の接触があった」と述べた。
西アフリカの内陸国ニジェールでは、7月26日に軍指導者が政権を掌握し、バズーム氏を拘束した。
先週、アフリカの地域ブロックはニジェールに制裁を課し、バズームが復権しない場合は新当局に対して武力を行使すると脅した。しかし、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)が日曜日に設定した期限は、軍事行動を起こすことなく期限切れとなった。
それでも、クーデター当局(国土防衛国民評議会)は、紛争を想定して同国の領空を閉鎖し、「領土の完全性を守る」と約束した。
チアーニはECOWASの制裁を「違法」「非人道的」と非難し、内政干渉と呼ばれるものを拒否した。
ECOWASは15カ国で構成され、木曜日に緊急会合を開き、この危機について協議する。
ミラー氏は、米国はECOWAS指導部と「緊密に連絡を取り合っており」、ニジェールの民政復帰を支援するために「外交を駆使している」と述べた。
先週、アンソニー・ブリンケン国務長官は、「民主的に選出されたニジェール政府の復活」が実現するまで、人道支援を除き、同国への援助を停止すると発表した。
ミラー氏は月曜日、停止された援助は少なくとも1億ドルに相当すると推定した。
「私たちが望むのは、この一時停止が撤回されることです」と彼は記者団に語った。「もし政権指導者が明日にでも退き、憲法上の秩序を取り戻せば、一時停止は解消され、安全保障援助も復活するだろう」
アメリカをはじめとする西側諸国は、ISIL(ISIS)を含む武装勢力と戦っているニジェールに数億ドルの軍事援助を行ってきた。
クーデター当局は、バズームを政権から解任した理由として、国内の治安状況の悪化を挙げている。
チアーニ将軍は先月、「我が国が徐々に、そして必然的に崩壊していくのを目の当たりにする危険を冒してまで、これまでと同じアプローチを続けることはもはやできない」と述べた。
しかし、2021年に選出されたバズームは反抗的な態度を崩さず、国際的な支援を求め、退陣を拒否している。
先週ワシントン・ポスト紙に掲載されたオピニオン・ピースで、バズームは「アメリカ政府と国際社会全体に対し、われわれが憲法秩序を回復できるよう支援してほしい」と呼びかけた。
ヌーランドの件は、日本時間8日の朝7時頃から米系メディアでも報道されている。CNNの記事では、副長官代理はまた、ワグナー・グループの脅威を強調した。アフリカで大きな存在感を示しているこのグループは、クーデターの扇動に関与していないと米政府高官は述べているが、そのリーダーであるエフゲニー・プリゴジンはすでにこの状況を利用しようとしている。そして、「今日の会談で感じたのは、この行動を起こした人たちは、ワグナーを招き入れた場合の主権に対するリスクをよく理解しているということです」とヌーランドは語った。
バズーム大統領とは電話で話したが、会ってはいない。ヌーランドによると、馬ズーム大統領は息子と妻とともに事実上の軟禁状態にあり、非常に困難な状況にある。ニアメ滞在中、彼女は「ナイジェリアの市民社会の幅広い層」と会うことができたという。「彼らは米国の長年の友人です。彼らはジャーナリストであり、民主主義の擁護者であり、人権活動家です。この国の状況について率直な意見交換をした。」
ECOWASとは西アフリカ諸国経済共同体 下記、Wikipediaから
15ヶ国(アルファベット順)。 ナイジェリア、 ガーナ、 セネガル、 コートジボワールの4ヶ国が指導的地位にあるが、近年の内戦でコートジボワールがこの地位から脱落したともいわれる。
ベナン ブルキナファソ (資格停止中) カーボベルデ ガンビア ガーナ ギニア (資格停止中) ギニアビサウ コートジボワール リベリア マリ (資格停止中) ニジェール (資格停止中) ナイジェリア セネガル シエラレオネ トーゴ
2000年12月にモーリタニアが脱退した。また2009年にはニジェールが、2021年にはマリ共和国とギニア、2022年にはブルキナファソ[1]がクーデターを理由に資格を停止されている。2010年にはコートジボワールが大統領選挙の結果を認めないとして資格を停止された[2]。
つまり、ニジェールの軍事クーデターを起こしたトップとは面談できず、相手にされなかった?と聞くと少し胸を撫で下ろす読者も多いかもしれない。
ヌーランドは南アフリカ、コートジボワールとコンゴに7月29日から8月4日まで訪れている。一度帰国したのかどうかは不明。
BRICSを前にアフリカを訪れているヌーランド、この行方が気になります。
この投稿を配信するのを忘れていたらFacebookに読み応えがありますと昨日の記事のコメントをいただいて思い出しました。本当にそそっかしい私ですが8月31日午後、都内某所でお話し会を開催しますので、是非お越しください。
素晴らしい 情報ありがとうございます。Lizzy さんの配信はどんどん高度になってますね。最近外国語を理解できる方々により日本人に情報を伝えるのが増えているようで大変嬉しいです。
身の毛もよだつ悪魔ヌー婆。ブリンケンと共に、お為ごかしに正義ヅラして世界中を地獄に陥れてる張本人の1人だと今や世界中で知れ渡って来ている。ニジェールも散々今まで搾取されて来たからこその経験値を今後の自立した国家として活かされることを。日本もいつまでも戦争屋のATMはごめん被りたい。二度の原爆、東京大空襲などジェノサイドの被害に散々遭わされて来たのだから。Lizzy, thank you so much for updating us on what’s going on in reality as usual.