今日は動画でもお伝えした内容を文字盤でお届けしたいと思います。
耳で聞く方が理解しやすい人もいますが、文字で理解するタイプの方もいます。特に今日の内容は、その方がわかりやすい部分もあるかなと思いました。(訳の微妙な間違えや誤字脱字はお許しください。)今日の記事は長いのでメールで全て読めない様です。
主要メディアをアテにしない人は、この情勢を見て、リビアのカダフィー大佐、イラクのサダムフセイン元大統領を思い出す人が圧倒的に多い様です。どちらも日本では悪者扱いの様でしたが、その土地の歴史、風土、慣習、宗教の中の価値観はその国の人にしかわからないと思います。一方的に民主化すると言って、米はその国を破壊し、民主化以前よりも民主化後、国民の生活は悪くなっているというのが常です。
★リビアのカダフィ政権から予測するシリアの今後
イランのニュースサイトPars Todayは仏誌の記事を掲載しました。
仏誌「ヴァイラル・マグ」は、シリアの今後について「かなり高い確率でシリアにはリビアと同じ運命が待ち受けており、この状況が地域を何年にもわたって危機に直面させる可能性がある」と報じました。
同誌は分析記事の中で、シリアの現在の状況をカダフィ政権崩壊後のリビアの状況と比較し、「シリアが国内での混乱と分裂に沈むのではないかという懸念が刻一刻と高まっている」と記しました。
その上で「外国人戦闘員がシリアで武装勢力を支援している」「シリアはアサド政権の崩壊後、分断された土地となり、武装勢力は自らの台頭を求めて競争することになるだろう。この状況は、地域諸国にとって難民化や情勢不安、危機などの結果をもたらす大きな悪夢である」としました。
そして、「この崩壊ぶりを前に国際社会は依然として手をこまねいており、シリアの政治的解決策を見い出すための外交努力は奏功していない」としました。
ロシアの外務省はこのタイミングで非常に興味深い投稿をしています。
リビアが破壊されたとき、(西側諸国は)誰もその結果を気にしなかった。NATO諸国連合はリビアを空爆し、テロリストがサハラ以南のアフリカ諸国に大混乱をもたらすブラックホールと化した。
ロシアから見ると、リビアで起きたことと似ているのでしょうか。私の知人はカダフィ大佐時代にリビアに3、4ヶ月仕事で滞在していました。確かにお酒の持ち込みなどには厳格で、国境線の付近の写真を撮ると、銃を持った警備隊に注意されたと言っていました。しかし、国内は平和でリビアの人は幸せだったそうです。
★シリアの基本
まず、日本人にはあまり知られていないシリアの地理を確認しましょう。シリアはシリア・アラブ共和国が正式名称の様です。
中東を知ろうとする時、その言語も重要です。
公用語はアラビア語で、国民の9割近くがアラビア語を母語としている。 このほか、クルド語、チュルケス語、トルコ語を母語とするイスラム教徒や、アルメニア語、アラム語、シリア語を母語とするキリスト教徒もいるが、公式文書や公立学校で使われるのはアラビア語のみ。
シリアは、トルコ、イラク、ヨルダン、レバノン、イスラエルに囲まれています。
★最新情勢
日経新聞によると、反体制派は8日朝、シリア国営放送を通して「暴君アサドを倒した」との声明を出した。11月末に拠点とする北西部のイドリブから大規模攻勢を始め、アレッポやハマなどの要衝を次々に掌握し、ダマスカスに向かった。
ロシアのメディアは8日、政府筋の話として、アサド氏がモスクワに到着したと伝えた。同国の外務省はこれに先立ち「(アサド氏が)大統領の職を辞することを決め、平和的な政権移譲を指示してシリアを出国した」と発表していた。ロシアはアサド政権を支えてきた。
外務省によると、ロシアはアサド氏の決定に関与していないとしている。
アサド一家は、ロシアに亡命したとのこと、ロシアトゥデイは、ロシアは困難な状況でも友好国を裏切らない...アメリカと違って」 - ロシアの上級外交官ミハイル・ウリヤノフが、シリアの「バッシャール・アサドとその家族がモスクワにいる」との報道を認めた。と報道しました。
先週、クレムリンによると、プーチンとエルドアンはトルコ主導で電話会談を行い、急激にエスカレートしているシリア情勢について話し合った。
と報道されていました。何があったのでしょう。
反体制派は、ダマスカスは暴君アサドから解放されたと日経は報じています。
しかし、アサドを独裁者とレッテル貼し、ただ一人悪者にするのは、西側のいつもの手口ではないでしょうか。日本の報道を見ていると、悪化したシリア情勢とか、その背景がわからない様に報道されています。では、悪化させたのはどの勢力なのか。
ロシアのメディアSputnikによると、27日にレバノンとシリアの国境を破壊したのはイスラエルだとはっきり書いてあります。
★シリア北側はクルド人勢力
米国が支援するクルド人主体の組織に属する戦闘員が3日、シリア北東部でシリア政府軍と交戦した。 以下はこちらから引用。2017年3月31日発行された記事ですが、興味のある人は、読んでみてください。この地域の複雑さがわかります。
シリア内戦の初期、クルド民族主義勢力は、「アサド政権 vs.反体制運動」という内戦の主軸から距離をおいた「第三極」的立場をとった。
その後、「イスラーム国」との戦闘をとおして内戦の「主軸」に絡まざるを得なくなり、内部に主導権争いを抱えつつ、クルド民族の政治的権利拡張の主張を強めている。
シリアにおけるクルド人人口は、総人口(約2200万人)の約10%(約220万人)と推計され、北東部のハサカ県を中心に居住している。シリアのクルド民族主義は、トルコやイラクにおいてと同様に、第1次世界大戦後のセーブル条約(1920年)でクルディスタンの独立が提起されてから本格的に形成された。続くフランスの委任統治(1920-1946年)は、分断統治策の一環として、民族的多数派のアラブ人に対する少数派としてクルド人を優遇した。このことが、独立(1946年)後のシリアにおいて、クルド人とアラブ人の民族的亀裂が政治的争点として浮上する要因の一つとなった。そして、アラブ民族主義に基づくエジプトとの合邦(アラブ連合共和国、1958-61年)から、シリア・アラブ共和国として離脱すると、アラブ民族主義の大義を手っ取り早く示すために、クルド人に対する差別的政策が施行されていった。
★アラブの春からのシリア
まず、シリアでこれまでに起きていたことを振り返ります。
2011年 アラブの春の`飛び火`でシリアでも民主化を求めてデモが起きました。
ご存知の通り、アラブの春とは欧米によるカラー革命だと言われています。(これによってリビアは、NATOによる軍事介入の結果、8月24日には首都トリポリが陥落、カダフィも殺害され、42年間に及ぶカダフィ政権が崩壊しています)
カラー革命とは、2000年ごろから、中・東欧や中央アジアの旧共産圏諸国で民主化を掲げて起こった一連の政権交代を指しますが、この背後にいるのが主に米英を中心とした欧米です。独自の文化や歴史を破壊するのがグローバリストの戦法です。CIAや、NED(全米民主主義基金)を通じて、お金や武器を配り、内戦を起こさせるのです。それも、民主化していないことを理由に。目的は分断です。
シリアはこれを機に内戦となりま、アサド政権がこれを武力弾圧したことをきっかけに反政府勢力との激しい内戦に発展したということです。
(下線部は日経の記事の引用です。本当の理由はわかりません。)
2014年には内戦の混乱に乗じて過激派組織IS=イスラミックステートがシリアとイラクにまたがるイスラム国家の樹立を一方的に宣言。
一方、アサド政権は、ロシアから空爆の支援を得て反政府勢力やISの支配地域に激しい攻撃を加えるなど、内戦は泥沼化します。
その後ISは弱体化、2020年にアサド政権の後ろ盾のロシアと反政府勢力を支援するトルコが停戦合意を交わして以降は、大規模な戦闘は起きずこう着状態となっていました。
★鍵を握るトルコのエルドアン大統領
今回の情勢を予測できなかった理由のひとつにエルドアンがいます。
最近、(一部の反政府勢力を支援してきた)トルコのエルドアン大統領が「シリア政府との関係改善を望んでいる」ということをたびたび発言するなど、トルコとシリアの関係がよくなる状況にありました。
トルコのエルドアン大統領は、シリア情勢について次のような声明を発表した:
「イドリブ、ハマ、ホムス、そしてもちろんダマスカス。野党軍はダマスカスに向かって前進している。我々は、この前進が何事もなく続くことを願っている。「以前、我々はアサドにシリアの将来について共に話し合うよう呼びかけた。しかし残念なことに、アサドから前向きな返答はなかった」と付け加えた。
シリアの反体制派武装組織を支援していたのは米国とイスラエルであり、イラン政府はこの計画を把握していた。
★アレクサンダー・ドゥーギン氏のエルドアン批判
今回のシリアのアサド政権の崩壊に関して、ロシアの哲学者、アレクサンダー・ドゥーギン氏はエルドアン大統領を厳しく批判しています。
我々はこれまでエルドアンを支持してきた。2015年にはトルコとのエスカレーションを避けようとしたし、FOTOクーデターの際にはエルドアンを大いに助けた。シリアの件は我々にとって非常に痛手だ。エルドアンにとっては戦略的なミスだったと思う。ケマリストの考えは、トルコを国境内で守ることだった。
イスラム主義はトルコの敵だ。アラブ地域におけるトルコの指導力とは決して一致しない。シリアのクルド人は、西側の支援を受けて勢力を強化しようとしている。シリアにロシアがいなければ、エルドアンは非常に重要な同盟国と友人を失う。
ロシアとトルコの間には多くの結びつきがある。その時のトルコの振る舞いは、明らかにイスラエルとグローバリストに有利なものだった。悲しいことだ。ロシアは、西側諸国が見せたいほど弱くはない。エルドアンの誤算だったと思う。
ロシアはトルコに危害を加えることはないだろう。確かに。しかし、このような裏切りの後では、困ったことが起きたときにロシアがトルコを助けに来てくれると期待するのは難しい。そして、トラブルは時折やってくる。
トルコは、ある意味中東とヨーロッパの間にある重要な国で、そのバランス調整が難しい事も多い。実際、クルド人も抱えており、反エルドアンの勢力も強い。しかし、今回の判断が招いた結果をドゥーギン氏は評価していない。
★イランの外相は米国とイスラエルに裏の計画があると指摘シリアも知っていた?
イランのアラクチ外相は国営テレビの特別インタビューで次のように指摘した。
「分析の観点からも、諜報の観点からも、我々は米国とイスラエル側に【抵抗枢軸】(反欧米の体制)に問題を引き起こす裏の計画があることを知っていた……そしてすべての情報はシリア政府とシリア軍に渡されていた」 シリアは隣国イスラエルに領土の一部を占領されている。イスラエルは1967年の六日間戦争(第三次中東戦争)でシリア領ゴラン高原を制圧し、実効支配を続けている。1974年には国連の平和維持拠点が設置され、シリア側の国境線は「ブラボー」、イスラエル側の国境線は「アルファ」ラインと呼ばれている。その後、イスラエルはゴラン高原の併合を宣言した。
★アルジャジーラの報道の要点は…
イスラエル軍はシリア全土で大規模な攻撃を行い、首都ダマスカスを含む3つの主要空港やその他の戦略的軍事インフラを標的とした。
倒されたシリアのバッシャール・アル=アサド大統領の首相は、モハメド・アル=バシルが率いる野党主導の救国政府に権力を渡すことに同意したと述べた。
シリアの著名な活動家マゼン・アル=ハマダ氏の遺族は、悪名高いセドナヤ刑務所で彼の遺体が発見されたことを確認した。
カタール、イラク、サウジアラビアは、シリアのゴラン高原におけるイスラエルの「危険な」土地強奪を非難した。国連平和維持軍が、1967年の戦争を終結させた1974年の停戦協定に違反していると非難している。
★Sputnik Internationalは各国の見方を下記の様に分析
シリアの危機 米国、イスラエル、トルコ、イラン、ロシアの主要な関心事
(1/6)アサド政権崩壊後、シリアは分裂の危機に直面しているが、各国にとってシリアはどのような戦略的重要性を持っているのだろうか?その謎に迫ろう。
(2/6) 米国 ワシントンはシリアの分裂を、イランとその同盟国(ヒズボラ、イラク民兵、フーシ派)を弱体化させる手段と見ている。それは「抵抗の枢軸」を崩壊させ、米国の重要な同盟国イスラエルを助けることになる。
(3/6) イスラエル シリアの崩壊は長年の敵を排除する。イスラエル国防軍はシリアの武器供給と軍事拠点を標的にし、シリアの分裂はヒズボラの供給ラインを弱める。イスラエルはまた、ゴラン高原への支配を強化する。
(4/6) トルコ: アンカラはシリア北部、特にトルコの安全保障を脅かすと見られているクルド人組織YPGが保持する地域の支配を望んでいる。クルド人の独立運動はトルコの領土保全を脅かし、特に中東全域で3000万人のクルド人を抱えている。
(5/6) イラン イランにとって、シリアはイスラエルに対する抵抗軸として不可欠であり、ISIS*との戦いにおける重要な同盟国である。イランはシリアの完全性を維持し、その分裂を防ぐことを目指しており、より広範な地域の不安定化と宗派間暴力の台頭を恐れている。
(6/6) ロシア シリアはロシアにとって重要な同盟国であり、1971年以来タルタスに地中海の基地を提供している。ロシアはテロと戦い、ISIS(※)が国境を脅かすのを防ぐために紛争に参戦した。ロシアの目標は、シリアを安定させ、政治的解決を確保することだ。*禁止されたテロリスト集団
★ジュリアン・アサンジの指摘
2017年、ジュリアン・アサンジがドイツの国営放送、DWのインタビューに応えられていた様です。
ドナルド・トランプとCIAはシリアをめぐって激しい争いを繰り広げていた。 アサンジはCIAの最優先事項、そして最大の予算項目が、バッシャール・アル=アサドの打倒である事を明らかにした。 しかしトランプがCIAに反抗しアサド打倒計画を拒否する決定を下した事で両者の激しい対立が始まった。 このため2020年の選挙はジョー・バイデンに有利になるよう不正操作された。
トランプ第一次政権は重要なシリアを守ったということでしょうか。
★アサド一族による数十年にわたるシリア支配の遺産 (Sputnik Int)
(1/5) シリアのアサド大統領が武装反体制派に平和的に政権を移譲したことで、アサド一族による53年にわたるシリア支配は終わりを告げた。この半世紀にわたる政権の主な特徴を見てみよう。
(2/5) バアス党員のハーフェズ・アル=アサドは、1971年3月14日から2000年6月10日に死去するまで、シリアの第18代大統領を務めた。「アサド・シニアの知性と経験は、シリアにおける政府の混乱が長期にわたって止まり、軍事クーデターが起こらなくなったという事実において、非常に大きな役割を果たした」と、国際関係と中東の専門家であるエレナ・スーポニナは、1946年から1970年の間にシリアで相次いだ政府転覆について言及した。
(3/5)社会 1978年、CIAでさえ、アサドが「前例のないほどの安定」をシリアにもたらしたと認めた。アサドは宗教間のバランスを取ることができた。シーア派のアラウィ派が軍隊と治安部隊を支配し、スンニ派が経済を支配したのだ、と高等経済学校の政治学者アレクサンダー・クズネツォフ氏はスプートニクに語った。シリアの農民は土地と政治的権利を獲得し、市民は無料の国民皆教育と医療の恩恵を受けた。女性の権利も確保された。
(4/5) 対外政策 ハフェズ・アサドはソ連との緊密な関係を維持し、アメリカから敵意を向けられていた。シリアはイランやレバノンのヒズボラとの協力により、1979年以来、ワシントンから「テロ支援国」に指定されている。
(5/5) ECONOMY 国内的には、アサド政権は国民所得、工業生産、生産手段のかなりの部分を国家管理下に置き、大きな公的所有権を特徴とした。シリアは食料を輸入に頼らず、石油も自給していた。1990年代、シリア経済は毎年5~7%成長し、貿易収支は改善し、インフレは抑制された。
(1/3)ハーフェズの死後、息子のバッシャール・アル=アサドは「ダマスカスの春」として知られる政治的自由化のプロセスを開始し、経済改革を開始した。
(2/3) 政治的自由化と改革 2000年11月、600人以上の政敵が釈放され、2001年5月にはローマ法王がシリアを訪問した。「アサド・ジュニア政権の最初の数年間は、異常な経済成長と開放性が特徴でした」とスポニナは指摘する。バッシャール・アサドの下、シリアは2010年までフランス、イギリス、トルコと良好な関係を保っていた。「2010年まで、経済は非常に発展していた。投資もあり、インフラも発展していた」と中東の専門家で政治オブザーバーのドミトリー・ブリジェは指摘し、アドラとアレッポにあるシリアの工業センターは繁栄していたと付け加えた。
(3/3)アメリカの制裁と政権交代計画 バシャール・アル=アサドの改革と西側諸国への開放にもかかわらず、アメリカはシリアに制裁を課し続け、国の発展の障害となった。要するに、イランの緊密な同盟国であり、「抵抗の枢軸」の主要メンバーであるアサド政権を打倒することを、ワシントンは何十年も前から計画していたのだ。アメリカとその同盟国は、アサドを追放するために2012年からシリアのジハードを武装・訓練し、同時に制裁を強化し、シリア経済を締め付けた。米国が支援する中傷キャンペーンの中、アサドは2013年にシリアの化学兵器を廃棄することに同意し、2015年には反体制派との和解協議を開始した。[...](3/3)アメリカの制裁と政権交代計画 バシャール・アル=アサドの改革と西側諸国への開放にもかかわらず、アメリカはシリアに制裁を課し続け、国の発展の障害となった。要するに、イランの緊密な同盟国であり、「抵抗の枢軸」の主要メンバーであるアサド政権を打倒することを、ワシントンは何十年も前から計画していたのだ。アメリカとその同盟国は、アサドを追放するために2012年からシリアのジハードを武装・訓練し、同時に制裁を強化し、シリア経済を締め付けた。米国が支援する中傷キャンペーンの中、アサドは2013年にシリアの化学兵器を廃棄することに同意し、2015年には反体制派との和解協議を開始した。「この9年間、どうにかこうにかアサドはロシアとイランの助けを借りて、少なくともある程度の安定を確保してきた。もしそうでなかったら、シリアは深刻な内戦に苦しみ続け、ひどい人的被害が出ていたでしょう」とスーポニナは言う。「このシナリオが少なくとも延期されたのは良いことです。今、シリアは非常に暗く、不透明な未来に直面していると私は思う。」
私個人としては、アサド政権の全てを肯定できるわけでは無いと思う、というのは一部、残忍な拷問なども報告されているし、特に父親の時代は反対派に対し大量殺戮を繰り返すなど、あまりにも残忍だった様だ。これが息子の代にはどうだったかかわらない。批判する記事も多いが、プロパガンダ合戦でもある。しかし、国際情勢の一環として見れば、トランプ政権発足前の、DSのあがきであり、綱引きであることは容易に推測できる。
★イスラエルにとってゴラン高原はなぜ重要なのか?バッシャール・アル=アサド大統領が武装野党に政権を移譲したシリアの混乱の中、イスラエル国防軍(IDF)が50年ぶりにゴラン高原以外のシリア領内に入った。
ゴラン高原は南北に伸びる火山起源の高原で、面積は1,800km²。ダマスカスの南約60kmに位置し、南はヤルムーク川、西はガリラヤ海と接している。
なぜこの地が重要なのか?軍事的に重要な戦略地域だからだ。台地の丘陵地形は、シリアからの地上軍事攻撃に対する天然の防衛線を提供している。高地はまた、イスラエルにシリアの部隊の動きを観察する絶好の視点を与える。水力地形ネットワークが発達している高地は、乾燥地帯にとって重要な水源である。そこからの数多くの川や小川がヨルダン川やティベリア湖に流れ込み、イスラエルにとって重要な飲料水源となっている。ゴランの3つの掘削現場では、2015年に数十億バレルの石油が発見された可能性があるとされている。肥沃な火山性土壌は、ブドウ園や果樹園の栽培、家畜の飼育に利用されている。
(4/4) ゴラン高原の歴史は?イスラエルは1967年の6日間戦争でシリアのゴラン高原の大部分を占領した。1973年のアラブ・イスラエル戦争(ヨム・キプール戦争)の後、シリアとイスラエルは1974年5月に離脱協定に調印した。国連安全保障理事会は決議350号を採択し、国連離脱監視軍(UNDOF)を設置した。イスラエルは1981年にこの一帯を正式に併合した。国連安保理は併合を無効と宣言した。
ロシアを含む国際社会の大半は、イスラエルの領有権を認めていない。2019年のトランプ大統領の在任中、米政権はゴラン高原をイスラエルの一部として公式に承認した。
★誤報をザハロワ報道官が指摘
ロイターはアサド「飛行機墜落」捏造記事を撤回すべき - モスクワ
マリア・ザハロワは、西側の報道機関は、まさに『熱心に』戦っている捏造を広めた罪を犯していると述べた。残念ながら日本の新聞もロイターを情報源に加担している。
https://mainichi.jp/articles/20241208/k00/00m/030/131000c
★キリスト教の歴史を消したいのか?(Liz)
失いかねないキリスト教のシリア (記事引用:参考まで)
最初のキリスト教修道院や共同体が生まれたのも「キリスト教」という言葉そのものが生まれたのも、この地である。 紀元前4世紀、アレクサンダー大王の将軍の一人、セレウコス1世によって築かれたアンティオキアはローマ帝国とビザンチン帝国の最も重要な中心地のひとつとなった。
キリスト教東方最大の都市に発展し使徒ルカや聖ヨハネ・クリュソストムのような著名人の出身地でもある。 残念ながら、この都市は750年前にマムルークによって破壊され現在はアンタキヤのトルコ人居住区に取って代わられている。
キリスト教発祥の地である事に加えシリアは世界中で称えられる数十人の聖人の故郷でもあった。 そして今では信じがたい事だが、かつてはレバノンと同様、地元のキリスト教コミュニティは大きな力を持っていた。 2010年現在でもシリアには200万人以上のキリスト教徒が住んでおり、これは国の人口のおよそ10%にあたる。 このうち半数は正教徒で、その他はカトリックとプロテスタント。 今日、キリスト教徒の大部分は難民となり残りの人々は最近の出来事を考えると手詰まりの状態にある。 何百もの教会は破壊された。 1世紀頃からローマ当局に迫害されたキリスト教徒たちはカラムン山脈の洞窟に避難し、迫害が終わった後も教会や修道院を建て始めた。
- 6世紀にユスティニアヌス帝によって設立されたサエドナエの山奥にある聖母マリアの降誕修道院は現存する最も古く最も有名な建造物のひとつである。 エルサレムの聖墳墓教会に次いで中東で2番目に重要な正教巡礼地とされ古代の遺物が数多く保管されている。 - その近くのカラムーン山脈の最高地点(海抜2100メートル)には、地元では「天使の家」として知られるデイル・シェルビム修道院がある。修道院の最初の建物は3世紀に主なものは4世紀のコンスタンティヌス帝の時代に建てられた。 主な寺院群は1980年代に修復されたが2014年にも大きな被害を受けた。
近年過激派グループの脅威により修道院には数人の修道士しか住んでいない。 約40メートルのキリスト像は、ロシアの彫刻家アレクサンドル・ルカヴィシニコフによる現代作品 - タル・カラフ地区(ホムスから65キロ)にある聖ジョージ修道院は6世紀に建てられた。 900年前の礼拝堂が残されている。
興味深い事に、この場所には634年から644年まで統治しイスラム教徒の間で非常に尊敬されているカリフ・オマールの憲章も残されている。
この文書によって修道院は保護され税金が免除された。 当時、地元のキリスト教徒はイスラム教徒のエリート達の特別な庇護を受けていた。 - マールール(アラム語で「入り口」の意)という町も注目に値する。そこでは人口のほとんどが、キリストが説教したアラム語を今でも話している。
ここにはキリスト教最初の聖人である聖テクラの修道院がある。 4世紀に建てられたこの修道院は、彼女が住んでいた洞窟の近くにある。 - コンスタンチノープル・イスタンブールの聖ソフィア大聖堂の前身であり小さなコピーである、515年に建てられたエズラの勝利者聖ゲオルギウス教会。 一説によると勝利者ジョージはこの寺院に埋葬されたが、1194年、リチャード・ライオンハートが聖遺物をローマに持ち去った。
https://x.com/ricwe123/status/1865688865148952730
★シーモア・ハーシュの重要な発言を取り上げていた人がいます。
2013年にシリアのグータで発生した化学攻撃を行ったのは誰か?
アサドではない。 「我々は、情報報告から、サウジアラビアとトルコがシリアにおけるアルヌスラ(アル=ヌスラ戦線)に対し、サリンの基本的な化学物質を供給していたことを知っていた。この攻撃で使用されたサリンは、シリア軍が保有していたものとは異なるものだった」 シーモア・ハーシュ(Seymour Hersh)
★トランプ大統領の2016年の発言です。
米大統領選挙の共和党候補者ドナルド・トランプ氏はイラクのサダムフセイン元大統領の、テロリストを殺す能力を褒めた。ABCニュースが伝えた。
イラクの元大統領サダムフセイン氏やリビアのムアンマル・カダフィ氏が今も権力についていたならば、世界は100%よくなっていただろうと、昨年の秋トランプ氏はすでに述べていた。
★CNNのプロパガンダ
元海兵隊のスコット・リッター氏の発言をあきさんが要約してくださっていました。
アメリカ政府—国務省、CIA、その他の情報機関、あるいは軍、およびイスラエルがアサド政権崩壊に果たした役割とは何でしょうか?
現時点では、答えは「分からない」 というのも、これは文字通り世界を驚かせた出来事だからです。 バイデン大統領がこの件について声明を出し、自らの功績であると主張しましたが、これに疑問の余地はありません。
以前から、アメリカがヨルダンを拠点にする反アサド勢力や、トルコ経由でイドリブを拠点とする勢力に資金支援を行っていることは知られています。また、トルコもHTS(ハヤト・タハリール・アル=シャーム)のテロリストを支援しています。人々が彼らを「穏健派」と呼んでいるが、実際にはテロリストであり、頭を切り落とすような行為をしてきた連中です。
ジョラーニ(アブ・ムハンマド・アル=ジョラーニ:Abu Mohammad al-Julani)について言えば、彼は現在、ダマスカスで政府らしきものを率いる立場にありますが、彼の経歴はイラクでのアルカイダ・テロリストとしてアメリカ人を殺害するところから始まりました。 その後シリアに移り、ISISのアル=バグダディの副官を務め、ISISの一環として活動していました。 ドナルド・トランプ、覚えていますか? 「ISISを全滅させた」と言っていましたね? でも、ジョラーニは復活しています。 そして現在、アルカイダ、アル=ヌスラ、そしてHTSへと名を変えた組織のリーダーになり、黒い旗をダマスカスに掲げています。
つまり、自分に反対する者の首を切り落とし、アメリカ国務省から懸賞金を懸けられている人物が、アメリカの情報機関に支援され、アメリカ大統領に称賛され、今やその政府もどきの組織の長になっている、ということで間違いないでしょうか?
現在シリアには政府と呼べるものは存在しませんが、彼は政府を名乗っています。 そしてさらに問題なのは、CNNのような報道機関がアメリカ政府の語る物語をそのまま流していることです。 2002年に遡りますが、私はイラク侵攻の準備が整う前、CNNの戦争指令室にいました。 当時、侵攻はまだ議会にも国連にも伝えられておらず、2003年3月まで実施される予定もありませんでしたが、アメリカ政府は確かにCNNに話を通して「イラク侵攻が予定されている。物語を形作る準備をしろ」と伝えていました。 結果として、CNNは記者を派遣し、ジョラーニにインタビューを行い、史上最大級のホワイトウォッシュ(whitewash:不都合な事実を隠し、問題のある人物や出来事を良く見せる行為報道を行う)の報道を行った。 これがCIAとCNNの承認の下で行われたことは間違いありません。 私はその場にいたので、これを直接目撃しました。 彼らは語る物語を形作るために共謀し、今回の件も明らかにCIAが関与しており、CNNに「この人物をホワイトウォッシュする必要がある」と指示を出したのです。
★ホワイトウォッシュwhitewash
ホワイトウォッシュは、白く洗う、つまり汚れたものや、色のついたものを白くして見せてしまうことです。
ウクライナ戦争でも、例えばアゾフ大隊をホワイトウォッシュしましたし、ユーゴ紛争でも酷いものでした。
今回のシリアの新しい反体制派と呼ばれるリーダーのリサーチはまだ深くできていませんが、結局CIAがやっていることはいつも同じで、この原型はオルブライトにあるのでしょう。
ブリンケンもヌーランドもオルブライトの弟子であり、現バイデン政権の国務省の流れは同じです。皆、東欧系ユダヤ人。
★エネルギー戦争
前回の動画で説明しましたが、ジョージアとシリアはウクライナの延長戦
単純にエネルギー戦争の側面もあります。
グリーンがイランを通るパイプライン、赤がカタールートルコのパイプライン。シリアが地理的にも重要な場所である理由です。
ここからは有料記事ですが、有料記事は収益するためではなく、おまけの様なものです。
Keep reading with a 7-day free trial
Subscribe to Lizzy’s Substack to keep reading this post and get 7 days of free access to the full post archives.